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乗かへくさつたか。人でなしのちく生と心にあまる腹立まぎ
れ。むめのゐか首筋取て引のけ世つぎごぜんのひざもとへ
どつかりとゐなをり。《割書:フウ〳〵|》今のは聞所。女夫も〳〵二世三世いとしい
かはいとかいて有が定じやの。《割書:アヽクド|》なんのうそいふ物ぞ。そもじ
様の文章にはどふかいてござんすと。とはれて玉ゆらせきめんし。
文の通あらはさは見捨られしと腰元共に笑はれてはちじよく
ぞと。心にそまぬけら〳〵と笑ひ。《割書:イヤ〳〵|》二世三世とは世間なみで
あさいこと。わたしが文には五世六世みろくの出世もかはらぬ女夫身ふし
がなへていとしいと。それは〳〵忝いうまいことじやとせかすにぞ。世つぎ御前
もせきのぼる悋気(りんき)のほむらに気を上て。《割書:エヽ|》我方へは他国するの太刀
尋るのと偽(いつわり)ごと。頼まれぬ男心いつそのことやぶれかぶれと玉ゆらの胸(むな)
づくししつかと取何身ふしがなへる程かはいとの文章か。面白し〳〵身
ふしがなようがしびれうが。惟茂様には此世継御前といふおか様が有ぞ
や。忝も仲人(なかうと)は帝(みかど)様りんげんは汗(あせ)のごとし。出て二度返らねば未来(みらい)かけ