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くれた忝い。はなぶへの返礼(へんれい)は咽(のど)ぶへに受とれと。引起してさか手に取 息(いき)のつがひ
むな板を。続(つゞけ)様に七つ八つ突(つか)れてあへなくしゝてけり。相図(あいづ)のふへのかくし勢取
まかれてはことやかましし。打ちらして埒明んと垣(かき)にむかつてふへ取 直(なお)し。高音(たかね)を吹
て吹そらす諸任すはやしすましたり。時分はよしと十人計打つれてとつといる。思ひの外
に金剛兵衛が力士立はつと計にげてんしてすゝみ兼てひかへしが。《割書:エヽ|》口 惜(おし)くもし
損(そん)ぜし。某は無体(むたい)に込入世継ごぜんをばいとらん。金剛兵衛を討とれと云捨
おくに飛で入らんとする所へ。おもだか次郎ぬか〳〵と出諸任がむなくら取
て突(つき)のけ。《割書:ヤア|》珍しい諸任。世継ごぜんは勅諚によつて主くん惟茂のつまじや
人と存ぜしに。扨は御辺のおか様か。めでたい〳〵祝(いわ)ふて水を参らせんと。五尺計
掘入たる小山のごとき手水鉢(てうづはち)かろ〳〵と指上る。金剛兵衛声をかけ暫く候
おもだか殿。水祝より先御 祝言(しうげん)の夜の石のいわひ。我から先といふよりはやく。
八尺余りの立石ゑいといふてすつと上《割書:サア|》水からか石からか但水石一時かと。追廻し追
まくり声を合て投付れば。先にすゝみし十余人みぢんに成てそ失せにける。
さすがの諸任気を失ひ女房いらぬ女房も去(さる)。こつちもさる去とはゆるせ