翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 49

ページ: 49

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の間妻子 閉(へい)門。屋敷の口々 釘(くぎ)付にして戸びらに樫(かし)の木 丸太。十文字にやりちがへ大 釘(くぎ) 鉸(かすがい)うらかゝせ。ひつそぎ竹にて高 垣(かき)付。乱杭(らんぐい)打 ̄ツたる世の掟(おきて)見るめもいぶせくいま〳〵し痛はしや 北の方籠中の鳥のうき思ひ。一子房若の手を引て門の影 にてうかゝへは。往来(ゆきゝ)の貴賤(きせん)立つどひ。是々此屋敷が腰ぬけ侍。 鷹巣(たかのす)の帯刀太郎 閉(へい)門のざま見ぐるしい。あの落書(らくしよ)見よ〳〵と ゆびざしあざけり読(よむ)哥に。恥しらず何国(いづく)で武士を帯刀が。 つらのかはむけ平国の太刀。出来た〳〵よい口にやりおつた。是見よ 爰にも又一首。鷹巣も鼠の巣(す)やら子をおゐて。穴浅まし の親の逃ざま。鼠とはよふいふた御蔵より下されし。御知行盗の 米の封。舛落しにかゝらふぞと笑ひどよめき通りけり。聞に付 ても北の方悲し共口惜共思ひ乱れておはせしが。なふ房若。父御は 弓馬を嗜(たしなみ)て誉(ほまれ)有武士なれ共。弓矢の冥加につきはてかゝる 不覚を取給ふ。其恥を返り見てよもながらへてはおはすまし。され共