翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 57

ページ: 57

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ふたり掘(ほり)出さうそちも手の物 灸(やいと)して。山の腰(こし)あたゝめや久々 まぶがとぎれたに。少山入致さうか何と山はさからふて。しなだ れよれはしなだれて。うそ恥らい昼(ひる)日なか女房の口からそれが まあ。えやは伊吹のもぐさやが。女夫中 能(よい)くらしこそ所帯(しよたい)のくすり もぐさなれ。是じやらくらもよいかげん。旅人衆が大勢門に立て じや。おつとがてんと見世先にすゝみ出。いぶきもぐさの効能(こうのう)を 商(あきな)ひ口にぞのべにけり。凡(およそ)諸国に蓬おほしと申せ共もろこし にては𣃕(きん)州四明が洞(ほら)。我朝にては当国江州伊吹山周の幽王 の吉例(きちれい)を以て。三月三日に刈(かり)始五月五日の露を請日にさ にさらし月にほし。桑(くわ)の杵(きね)は男を表(へう)し柳の臼(うす)は女を表し陰陽(ゐんやう)和(わ) 合(がう)に搗(つき)ぬくもみぬく白もぐさ。今年 艾(もぐさ)ひねもくさ廿年から 百年迄代物わづか六 銭(せん)にて。人の命はあたひ疝気(せんき)や寸白 や万病の根(ね)を切もぐさ。臍(へそ)をふすべる薫臍(くんさい)もぐさ霜に かじけし老木のふしの筋やはらくるむしもぐさ。まだいとけなき