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気あつかひ。高きもひくきも女のならひ。妻子□□□□□□□□【のうへは我身にも。】
かへて心をいたむるぞや。是に付ても帯刀殿そなた夫婦の心
ざし。くれ〳〵も悦びてあへなきさいごをとげ給ふ。預おかれし
宝の御太刀此子に持せ。惟茂卿へ参らせ父の家をつがせてたべ。
世が世ならば御身立に頼るゝこそ道ならめ。返つてたのむ身
と成し。哀と思ふてたもやとてさめ〳〵と泣給へは。《割書:アヽ|》冥加(めうが)ない。こし方
の御 厚恩(かうをん)。久作もいひかいなき商(あきな)ひは致せ共。背にかはらぬ
男気。ふうふが命を投(なけ)打ても御世に立でおかふか。お屋形を出し時
身に持た子も成人いたし。房若様のよいおとぎ御世にお出
なされての。家老殿にして下されませ。《割書:アヽ|》おとなし様に。おめがかた
い少お休(やすみ)あそばせ。何ぞお裙(すそ)に置ましよと。恥ぬ心のおく
そこを明ていぶきの山おろし。落くる軒(のき)の月受てふさわかは
ふら〳〵と。いねぶりこけしあぢきなさ北の方も旅づかれ。咄
ね入の袖枕前後も〽しらずふし給ふ。痛(いた)はしやすきまの風も
【虫損部は東京藝術大学附属図書館蔵本を参照し注記】