翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 64

ページ: 64

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扶持(ふち)せられんとの契約(けいやく)。かう近道に持て来た仕合。此刀でふさ わかをしてやつて。今のまに黒縁(くろぶち)の乗物にのせるそ。老入の栄(えい) 花迄此比 思案(しあん)しめおいた。声立てめをさますなだまれ〳〵と つゝと立。先待てくだされと引すへて興(けう)さめ顔。ため息(いき)ついてゐたりしが。 やゝ有て涙をはら〳〵とながし。情なやいつの間に魂(たましい)が入かはつたぞ。お主様 の御 厚恩(かうおん)七年はまだきのふけふ。よもや忘れは有(さつしやる[朱書き])まい。ふたりが不義の 忍び合あの万とらがおなかにやどり。身はおもふ成と云お家の法度を そむくといひ。親請人のめいわく子はをろそうかながそうか。ふたりが 首は縊(くゝら)ふかと内 玄関(けんくはん)の外絆(とつなぎ)に。なは迄かけたをおぼへてか。それにお主 のじひ心おく様のめ【あヵ】ひけんにて。お袖の下よりかねいたゞき夫婦つれ てお家を走(はしり)。あの子を悦ひ三人の命。生ながらへたは誰が影ぞ。 わしやけふか日迄お主の方へ。足をむけてもねぬはいの。たがいの 性念(しやうね)見とゝけていひかはした程にもない。きたないさもしい心 根(ね)や 持仏(ぢぶつ)にこざる如来様。つい木のされと思ふてかわしやなんにも