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剣ならん嬉しやとらんと立よれは〽なふ〳〵其太刀な取給ひ
そ。それには運の候そや〽扨はおことは此太刀の主成か〽いや此
女が身にそひはつる物ならねと。我身はかろき水のあは。うか
むはおもき水鳥のお主のためとうきせをふみ。心をくだき
くるしむる。ひとつの望有太刀を。人手に渡し参らせは。思ふ
お主の出世(しゆつせ)の日を。いつかはみほの松原に天の羽衣(はころも)ぬすまれし。
彼天人の浮思ひはねなき鳥のことくにて。天上せんにも
羽衣なし。地にまたすめは下男也とやせんかくや詮方(せんかた)も。涙の
露の玉かつら。かさしの花もしほ〳〵と。三づに迷(まよ)ふとつたへきく。
其天人の五 蓑(すい)より人間に八 苦(く)有。ましてや女は五 障(しやう)の雲。
三従の霧(きり)ふかきにしたかふべき夫にはなれ。いとしかなしとそ
だてつる子を失(うしな)ひし芦辺(あしべ)の鶴。よしあし二つに迷ひぬる。
来世のやみをいかゞせんと只さめ〳〵とぞ泣ゐたり〽にげなき
賤(しづ)の女の身心えがたき詞のすへ。扨は一つの望(のぞみ)とは価(あたい)がほしいと