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いふ事な。我こそかくれもなき余五将軍平の惟茂。価(あたい)は
望にまかすべし〽うたての事なの給ひそ。あまたの命にかへし
太刀。たとへ千金万金も命にあたひの有べきか。のぞみとは
影たのむ。譜代(ふだい)のお主の身のうへと。いひさしてこそ歎けれ。
〽猶もふしんは晴(はれ)やらす我も太刀を尋る身。おことが主人の氏
名乗妻や子の身のうへくはしくかたれとの給へは〽とはれてかくと
かたるにもいとゝお主の櫨(はぢ)紅葉(もみぢ)色に出すもつゝましく。わき
てそれとは伊吹山。蓬に麻(あさ)の夫婦の中。あたりにちかき不
破(は)のせき。人めの関をしのぎこしもとは互(たがひ)の忍ひ合。狂ひ合たる
から猫(ねこ)の。お主の膝(ひざ)もとなつかしく。御 恩(おん)をいつかおくらんと身こそ
まつしき暮しにも。心をすくに世をわたる。竹の子は猶おやま
さり鳶(とび)が産(うん)だる鷹(たか)の羽の。はがひの下に立返り奉公(はうこう)さ
せんおとなになれと立年月もたくりくる。三 ̄ツ で髪置五 ̄ツ で袴(はかま)
着。六 ̄ツ で寺入あげる手本の数々は。七 ̄ツ いろはの手よは七つ。