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撫(なで)つさすりつなでし子の花のゑかほの。あひらしさ父と。母と
がたのしみは。吉野 初瀬(はつせ)の花見にも。おとるまいぞやまさるぞや。
おとるましきとそだてあげ志賀(しが)のからさき一 ̄ツ 松外にならびも。
なかりしに。てうあひあまつて我妻の主人の子をきり殺(ころ)し。我子の
末の栄花(えいぐは)にせんと悪心たゝむうらめしや。いんくは〳〵のおない年この
手かしはの二面。一葉をわけて身かはりに立を夢にもしらはの刃。
はかなや親の手にかゝり胸(むね)のあたりを。さし通し指通さるれば気も
魂も。きへ〳〵と成 果(はて)し其 俤(おもかげ)の身に添(そひ)てながき闇路(やみぢ)に。迷ひし也かゝる
歎(なげき)に沈(しつみ)しも哀お主を世に立て。つみをつくりし夫の後世ひごうのしにのみ
とり子も。母がしゆらをもたすからん願ひの糸は一筋と。玉をつらぬく涙の露
〽見れはしほるゝ惟茂卿〽山の紅葉も一しほに〽歎の色をや添ぬらん〽心よ
はくて叶はしといかに女。おことが歎も不便ながら。惟茂が尋る太刀はのぞみ
をかくる人おほし。何者かうばひ取何者の手にわたりしやらん。其 主(ぬし)の名を聞
ては望かなはん様もなし。太刀を改(あらため)ことをたゞし奏問(そうもん)してゑさすへし。都へ