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尋来れやと太刀を取てぞ出給ふ〽走かゝつてたちもぎ取小 脇(わき)に
かい込。なふ心つよやつれなや。ほまれ有主君ならば大音上てなのらん物。
ふかくを取しお主の名 何(なに)面目(めんぼく)に名のれとや。園(そのを)に植(うへ)ても紅の色にもそれ
としろしめせ。願ひ叶はぬ其中は此太刀我身はなさぬとよ
〽げに〳〵是もことはり也。扨日本には名剣おほし。此太刀の銘(めい)
太刀の威徳(ゐとく)。聞及びてもしつはらめ語れきかんと仰けり〽さ
れは主君の物語。御太刀の御本地聞 伝(つた)へし趣(おもむき)を。あら〳〵語申べし。
剣の本地
先あしはら大日本。神武三ふりの宝剣有。一つは天の
はぎり共。又は十握(とつか)の剣(つるぎ)共申。大和の国 石上(いそのかみ)の御神
体に立給ふ。又一ふりは八雲たつ。八 股(まだ)の蛇(おろち)が尾さきより
顕(あらは)れし天の村雲の宝剣。そさのおの尊(みこと)ぎをん
牛頭(ごづ)天王の御剣なり。今一ふりはそさのおの尊の御子。
日吉山王 権現(ごんげん)共。三輪(みわ)の明神共おかまれたまふ。