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大あなむちの尊の御剣。事もおろかや是。此。この御太
刀にてまします也それより代々の帝(みかど)に伝はりて。人王
十五代の姫みかど。神功皇后(しんぐうくわうぐう)神風や天てらす。太神宮の
告(つげ)によつて。新羅(しんら)のゑびすを討べしと。御身もさすが只なら
ぬこもち月の中空に韓国(からくに)さして。責(せめ)入給へは。中臣のいかつ
の臣。吉備(きび)のかもわけ両大将。兵船軍船凡三万八千 艘(ぞう)。順(じゆん)
風に帆(ほ)を上てさながらゆう〳〵平地を行。扨 皇后(くぁうぐう)の御座船は。
楯籏弓。鑓鉾鎧かふと腹巻をかざり立。〳〵錦をつゝんで
つゝみ立たる屋形には襴(らん)のとも綱(つな)綾(あや)の帆を上きぬ笠 御(み)笠
せい〳〵と。あをきが原の波間より。住吉の神 楫(かぢ)を取。龍女は
みちひの玉をさゝげ。けい〴〵りうしやをさきとして。八尺(やひろ)の鰐(わに)
やしやちほこや。鯛(たい)にすゞきに鱧(はも)鰹(かつを)。あらゆるうろくす鱗(うろこ)をな
らべ。君が御舟をしゆごしつゝ。三日三夜はみつばの征矢(そや)とふ鳥より
猶はやく。七千余(よ)里を漕(こぎ)渡り百済(はくさい)国の大 湊(みなと)ふうとうの津(つ)にぞ