翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: 模範解答付きコレクション1

紅葉狩剱本地 - 翻刻

紅葉狩剱本地 - ページ 94

ページ: 94

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あ。此諸任を見しつて。きづかひさせて笑はん為の偽り。誠鬼のすむ山におのれは 何 迚(とて)柴(しば)を刈(かる)。但うぬは鬼の一門か。有様云すは踏殺(ふみころ)すとはつたとにらんで責(せめ)つくる。《割書:ムヽ|》 いか様御ふしん尤鬼神に横道(わうだう)なし迚。当山とがくし大明神の氏子の分は指(ゆび)もさゝす返 つてしゆご致ゆへ。氏子にわるふあたれはめのまへにあたをなす。惣して氏子にかぎらす 山を住家(すみか)の山人柴でも木でも肩に置て通れは。夜るても昼ても恐なしとぞ 語ける。主従㒵を見合こりやかうも有ふ事。《割書:ヤイ|》ぢいめ。此しば身かかたける。おのれは 道の案内(あんない)先へ立て失せおれと。乗取てかたぐれば。《割書:エイ|》おまへがおかたげなさるゝか。《割書:アヽ|》 是は御太儀な。慮外ながらお先へ参ますと。樵路(せうろ)に肩を休たる。年のこうとて 山人が。鬼にとられし荷ひこぶ麓をさして。〽下りける。房わかは只一人長かたなの一本ざし。 股引かるき山づたひ母うへ追かけなふ房若。云事聞ずにとこへ行。姫君達のお伽(とぎ)はせず。 おとな衆とおなじ様に山へのぼつて何をする。戻らぬか房若と引とめ給へは是かゝ様。なぜ 房若とおつしやる。わしが名は小太郎広文もうおとなじや。鬼神退治のお供して。鬼の子 ても殺さねは父の恥かすゝがれぬ。やつて下されかゝ様と踏(ふみ)しまれば母うへも《割書:ヲヽ|》けなげな 事よふいふた。ちゝごを無事で置まして今の詞をきかせたい。悦ひ給はん物を迚