翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

竹斎療治之評判 2巻 - 翻刻

竹斎療治之評判 2巻 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

此様成(このやうなる)/煩(わつらひ)ありとてふところより宇治頼政(うちよりまさ)のう たひ本をとり出し是見給へ人々/宮(みや)は五六 度迄/御落馬(ごらくば)にて煩(わつら)はせ給けるそれはさきの夜(ヨ) 御寝(ぎよしん)ならざるゆえなりとありさるによりてねさ するなりとて則(すなはち)宮軍(みやいくさ)のかうしやくしていしよに はつれたる療治(りやうぢ)はいたさぬと申せは扨も〳〵物(もの)しり たる竹斎哉(ちくさいかな)とあたりの人/横手(よこて)を打て誉(ほめ)にけり と〇此心を案(あんす)るに是又/唐(もろこし)の医者(いしや)も有病人に のぞんて是はこれ〳〵の医書(いしよ)にもみへたりこれ これの煩(わつらひ)なりとて書物(しよもつ)たてをいふてしらぬ俗人(ぞくにん) に語(かた)る事ありそれが実(まこと)のほしへもあたらは 尤なるへけれ共/丸(まろ)き入ものに四角(しかく)なる蓋(ふた)をする 様(やう)にてされはいすかに嘴(はし)ほとくひちがひたる事 を声高(こゑだか)にかたる人おほし一/座(ざ)に能(よく)しりたり 人ありとてもそれは違(ちが)ひたるとてとがむる人も なく心にては笑(わら)ふへけれ共/其(その)まゝにてをけは しらぬ俗(ぞく)人は誰(たれ)々のより/合(あひ)尓てこれ〳〵の 仁(じん)は扨(さて)々/物(もの)しりと見へたりか様(やう)の書物(しよもつ)なと 引(ひき)て申さ礼しかあたりの衆(しゆ)/何(なに)とも答(こたへ)もなかり きと誉(ほむ)る事/多(おほ)し是等(これら)の人をひそかに/笑(わらふ) なるへし 去(さる)人かさけを煩(わつらひ)けり竹斎/薬(くすり)を/用(もちひ)けるか先々(まづ〳〵) 是(これ)々を食(しよく)し給へと飼(く)ふてよき好物(こうふつ)の/分(ぶん)を 書付てやる