翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

竹斎療治之評判 2巻 - 翻刻

竹斎療治之評判 2巻 - ページ 27

ページ: 27

翻刻

みかんを売(うり)ものゝことし病者(ひようしや)は愚人(ぐにん)の目も見へぬ ものにして医者(いしや)の戮(りく)を受(う)けんかといへり 又/去人(さるひと)の御/内儀(ないぎ)身もちになりさはりやみのくせ として青梅(あをうめ)をすかれけるか何とかしたり気ん 梅(うめ)かのとにつまりて呑とも入らすはけ共出さりけり あたりの女房(にようはう)とも是(これ)を見て背中(せなか)のあたりを 七八百一くはん計(はかり)とづけ共出さりけりかくては かなはしと竹斎(ちくさい)に見せけれは心得(こゝろへ)たりといふ まゝに/火打袋(ひうちふくろ)よりかのじしやくを取(とり)出し口(くち)のは 多へ押当(をしあて)てひた廻(まは)しにまはしけれ共出されは心得 たりといふまゝにすいかうやくを取いたし口(くち)へひたとはり にけり不となく梅(うめ)は出にけりしんへんかうやくの奇(き) 特(とく)には目(め)と鼻(はな)と一所へすひよせて眼玉(まなこたま)二三寸春 いあげたりこはいかなる事/哉(や)らんとおちやめのと か驚(おとろき)けり竹斎(ちくさい)申けるやうは梅(うめ)のれうしは心 得たり目鼻(めはな)の事はしらぬといへはあたり邊(不とり)の者(もの) 是(これ)を聞腹(きゝはら)を立(たて)うてやたゝけといひけれは竹斎(ちくさい) 宿(やど)へにけにはかるとそ 扨も〳〵書(かき)たりけり竹斎(ちくさい)/前方(まへかた)かぢの弟子(でし)をじ しやくにて手柄(てがら)をせしゆへに又とり出されける 此心/考(かんがふる)に皆医者(みないしや)の心にある事也いつそや誰(だれ)故 の煩(わつらひ)に此/丸薬(くすり)にて手柄(てがら)をしたるとて又/別(べつ)の 人にあたゆる事/多(おほ)し鉄(てつ)の目(め)に入りたると梅(うめ)の 咽(のど)につまりたるほと違(ちがひ)たる了簡(連うけん)はせいてつかひ