翻刻
徒気たるなとゝいふていつも同じ薬(くすり)をつかはるゝ
事あるを云なるへしそ礼にてきりぬゆへにすい
がうやくをはりければ梅(うめ)は出たれ共/目鼻(めはな)を一所
へすいよせける是又よくもかゝれたり前(まへ)に/云通(いふとをり)
唐(から)の書(しよ)にも病(やまひ)を見て病(やまひ)を治(ぢ)するとかく
是(これ)はあしき事なり唐(から)も大和(やまと)も同(おなじ)事たとへは
腹(はら)か痛(いた)めはまづ腹(はら)のいたみをやめんとて木香丸(もつかうくはん)
に/奇應丸(きをふくはん)/奇効丸(きかうくはん)や熊(くま)の膽(い)にたうやくるざり
しなとゝて俗人(ぞくにん)まじりに用(もちひ)らる腹(はら)の痛(いたみ)は止(やむ)事
あれ共/其薬力(そのやくりき)のあらきにて脾胃(ひゐ)のそこ年の考(かんがへ)
なくあげくのはてに/不食(ふしよく)などして腫気腸満(しゆきちやうまん)の
煩(わつらひ)なとに変(へんづる)事/多(おほ)しかの虫(むし)の/痛(いたみ)に/計(はかり)目かつき