翻刻!江戸の医療と養生

コレクション: コレクション4

竹斎療治之評判 2巻 - 翻刻

竹斎療治之評判 2巻 - ページ 30

ページ: 30

翻刻

いへはとまる是(これ)ほと薬はきくぬれとも死(し)する命(いのち) は定業(ぢやうごう)なるへし是非(せひ)もなきと申けり是を考(かんがふる) に/腹(はら)ははらふとまゝよ命の/続(つゞく)/考(かんかへ)あるこそれう ぢなるへけれと皆(みな)人いへりけり病人方(ぎようにんかた)は心得(こゝろへ) 有へき事(こと)なり 又/去人(さるひと)のおさなきもの井のもとへ落(をち)にけりとや せん角(かく)やせんとひしめきけり折節(おりせつ)/竹斎(ちくさい)は門(かと) を通(とを)るとて事(こと)の/子細(しさい)を尋(たつぬる)にかくのことくと申/竹(ちく) 斎(さい)申けるは上(あげ)く参らせんといふまゝに/彼(かの)すいがう やくを戸板(といた)にひたと張付(はりつけ)ゐどの/蓋(ふた)にてしたり ける唯今(たゞいま)すひ上申へし待給へといふ内になとかは あかるへきとかくの時刻(じこく)/移(うつ)るまにおさなきものは 死(し)にけり〇/扨(さて)も〳〵書(かい)たり〳〵こ礼はさて井のもとへ 落(をち)たるものか何としてすいかうやくにてあがるへきや前(まへ) の目鼻(めはな)を一所へすいよせたるにあぢはふて蓋(ふた)にはせ られたるや倩(つら〳〵)此下心を案(あんす)るに/是(これ)は医師(くすし)への教(をしへ)又は 病人方(びようにんかた)への教(をしへ)なりなせにとなれはいしやたる人々/煩(わつらひ) をなをしてやりたし難儀(なんぎ)を助(たすけ)てやりたしと思は ぬ人ハ千人万人か中尓一人もあるへからす今日/頭(かしら)をそ り医者(いしや)になりていまたさじの/取(とり)やうもしらぬもの にてもころさんと思ふ心は夢(ゆめ)いさゝか有へからす此/竹斎(ちくさい) も井のもとへ落(をち)たるものをは上てたすけ▢とこゝろに はい思ふゆへに/秘蔵(ひさう)のかうやくを少計(すこしばかり)尓てハなるまし きときてんをはたらかして大なる戸板(といた)にはぬら