翻刻
たとへて書(かく)なるへし申ても〳〵腹(はら)の内(うち)の/子(こ)がたう
瘡(がさ)を煩(わつらふ)事いかゝ有へき事にはあらねとももろ〳〵
の煩(わつらひ)にかくのことく違(ちがひ)たる事のみなるべけれ共(とも)/目(ま)
のあたり見るやうに/恥(はつかし)ケ(げ)もなく申けるを俗人(ぞくしん)
達(たち)のまことゝおもはれ候はん事を笑止(せうし)に思ひてかく
れたるなるべしかうやくを丸(ぐはん)してのまする事は
医書(いしよ)に/多(おほ)しなき事には非(あらす)/扨又(さてまた)うみ月なる
とのそまれて又じしゃくをはられし事/是(これ)にて
志きりたちけの徒くへき事にはよもあらじ世(せ)
間(けん)にてでもなき事越してもしきりのたつべ
き時分(じぶん)に仕(し)あはせぬれば此道(このみち)をしらぬ人は薬(くすり)
のきゝたるとおもふ人の事を/書(かく)なるへしもろ〳〵の
煩(わつらひ)に/此類多(このるいおほ)かるへし例(れい)のじしやくにて又/手柄(てがら)をし
たるそと誉(不め)られしそれよりも又/武州(ふしう)へ下りに
けり扨全部(さてぜんぶ)ともに/評(ひよう)すへき事なれとも予(よ)がわ
ざならねは唯療治(たゞれうち)の所ばかりを評(ひよう)し畢(をはんぬ)