翻刻
屋ぶく春し
竹斎
扁ん志やくやぎバ
にもまさるなし
さいを志らぬ人
こそあわれなり
ける
はじむる時(とき)におはらひくじを取たきもの也/談合(だんかう)
かあとさきと思ひ侍る誠(まこと)にもろこしの/書(しよ)にも
なをるへき煩(わつらひ)なれどもよき/医者(いしや)にめくりあは
ひて死(し)するもの有又/死(し)にそふなる煩(わつらひ)なれども
不思議(ふしぎ)によき医者(いしや)に/出合(いであひ)てなをるものあり
是等(これら)などは多々能事にてなし宿縁(しゆくゑん)と云物(いふもの)
なりその宿縁(しゆくゑん)と云はむかし能(よき)た年を蒔(まき)て置(をき)
たるにふしぎとめぐり合(あい)たるをいふなり兎(と)
角(かく)煩(わつらひ)あらばはやく能(よき)いしやをえらび後悔病(かうくはひやまひ)の
なきやうにとのおしへのそへ筆(ふで)なるべしよくも
申たり
おこりをふるひける人有其人と知音(ちゐん)の/方(かた)申され