翻刻
行(ゆく)ほどは心の鏡(かゝみ)くもりなし
見る物ことの移(うつ)りかはりて
朝はやく起(おき)てあゆみをはこびなば
気もはれやかに病ひしりぞく
起(おく)るとき手足(てあし)をのべて面より
身をなでおろし閨(ねや)を出へし
心なき鳥獣(とりけだもの)のうへにだも
おきふすときはたかはさりけり
あつ湯(ゆ)にて足を洗(あら)へば臥(ふ)すごとに
ねふりもきざし下焦(げせう)あたゝむ 【下焦 : 漢方で臍から下を指す】
ひえ枕(まくら)かたき枕や高(たか)まくら
目をもくらまし頭痛(つつう)いづ也