翻刻
楊枝(やうじ)をばふかくつかふなにくもやせ
はの根(ね)もすきて早く落(おつ)へし
はぐきより血(ち)をば出すな岩間(いはま)なる
つちもへりなば木も枯(かれ)ぬべし
度々(たひ〳〵)に手をもみあはせあたゝめて
面(ほもて)ををなでようるほひをます
千朝(せんてう)の薬(くすり)にかへじひとりぬる
一 夜(や)の刧(こう)ぞ福寿(ふくじゆ)なるへし
燈(ともしひ)の油(あふら)のごとくかきりあり
もらしすつるなしんのうるほひ
冬(ふゆ)の田(た)に水を入るゝは夏(なつ)のため
人もたゝへよじん【腎】のうるほひ
【注 腎は五行の水に属するので、田の水に譬えて、人間も腎の潤いを湛えることを勧めている】