翻刻
飲食(いんしい)と色(いろ)と酒(さけ)をも汲(くみ)て知れ
人の生死(しやうじ)は此うちにあり
食物(しよくもつ)のよきとあしきをわきまへよ
病は口より入のほんもん
朝夕に美食(びしよく)過(すぐ)さは脾胃(ひい)のみか
終(つゐ)にはいでん虫のわづらひ
おり〳〵に粥(かゆ)や湯(ゆ)つけを食すれば
脾胃(ひい)をたすけて気力おきなふ
かろくくむ【注①】酒は薬と菊(きく)の水
あきぬる【注②】ほどはしんしやく【注③】をせよ
塩(しほ)からき物をはさのみこのむなよ
脾胃にしめりて毒(どく)とこそきけ
【注① 軽(かろ)く=「軽く」に同じ。かろく酌む=少し(酒を)飲む。】
【注② 飽きぬる=十分満足する。】
【注③ 斟酌=さしひかえる。】