翻刻
【右丁】
とりこにす。其中に草の葉を
口にふくみたる老翁(らうをう)あり。恰(あたか)も
神農氏(しんのうし)の霊像(れいさう)をみるかごとし。
加藤清正(かたうきよまさ)の陣中(ぢんちう)に。南叟(なんさう)といへる
僧(そう)これをあやしみて其故をと
ふに。此国(このくに)の医師(いし)と答(こた)ふ。みし
【左丁】
にもたがはすいとゝあやしく
おほえて。ひたすらかれをこ
ひてその命(めい)をすくひぬ。よろ
こびにたへず婦人科(ふじんくは)の療養(りやうやう)
を伝(つた)へて其 恩(をん)をむくふ。南叟(なんさう)帰(き)
朝(てう)の後。やつかれにゆかりある人