翻刻
一/鹽梅(あんばい)の一/躰(てい)は甘も物に尓よ流べし甘
尓も辛尓も/軽(かろき)はよし/旨(うまく)と汁心早流は下手
能事也
一第一尓魚鳥能/出所(志ゆつ志よ)。/鮮敷(あたらしく)肉あぶら能調り
堂る越吟味春べし。/野菜(やさい)等尓至流まで
名物は各別のもの也。それ不どになくとも吟
味さへ春れば/甲乙(かうおつ)盤明らか成も能なり。無下尓
此心な起人盤鯛登いへば皆鯛と覚し。鴨とい
へは皆/鳬(かも)。田舎松茸も/稲荷(いなり)山のま川だけも
ひと川尓覚ゆ累なり
一料理/好(すき)ならん人は/鹽酢(ゑんそ)よりはじめ常尓/嗜(たしなみ)置
べ支も能数々あり嗜置事難_レ叶は兼て勘
へ弁置べし委奥ニ註
一或人一書を/擕(たつさへ)来るれり。古能料理/古実(こしつ)秘傳の
右ページ七行目左ルビー 「甲乙 まさりをとり」