翻刻
罪有り謀せらる毛国棟続て其職に任す尚亨致
仕す向象賢続て国相と為る士族の子弟銀簪を
用ることを許す八年《割書:康煕|七年》十一月尚質薨す歳四
十一尚質為人恭倹克く祖業を守り唯善是れ務
む尚質の世国相尚亨向象賢等相尋て職に在り
尚質を翼賛し政教を敷き農務を起し国内太た
靖し
寛文九年世子思五郎金立つ之を尚貞王と為す
国相向象賢在職故の如し首里城災後正殿の工
事未た全く竣らす尚貞即位の礼を大美殿に行
ふ十一年宮殿始て落成す二月尚貞本城に移る
是歳尚貞金武王子を正使とし越来親方を副使
とし江戸に遣し襲封の恩を謝す十二年尚貞貢
使を清国に遣す其貢船洋中に賊船に遇ふ那覇
の人張沂といふもの在り船人に令して曰く生
を愉むことなかれと賊船砲を放ち来り侵す沂
屈せす船人を指揮し力を竭して防戦し朝より
晡時に至る賊克たさるを知り船を返す沂再ひ
来らんことを恐れ長刀を携へ船頭に立つ賊復
た銃を放つ丸沂か腰を洞つ船人扶けて艙内に