琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 下 - 翻刻

南島紀事 下 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

入る沂神色変せす問て曰賊船退きしや否やと 船人答へて曰去れりと沂喜ひて同僚に謂て曰 公事の為めに死を致す固に臣等の分なり吾遺 憾なしと細に後事を托して瞑目す是歳孔子の 廟を久米村に建て春秋二仲上丁の日を以釈尊 の礼を行う延宝元年琉球清国に進貢す明の遺 臣鄭経據りて台湾に在り経か兵卒琉船の台湾 海を過るを見て之を奪ひ人貨共に没す琉球之 を薩藩に訴ふ島津光久幕府に稟す後台湾の船 長崎に来る長崎奉行其船長を詰責して銀三百 貫目を出さしめ前日彼の兵士の掠奪せし罪を 償はしむ幕府其銀両を琉球に賜ふ九月尚貞薩 摩に由て恩を謝し方物を幕府に献す後奥州相 馬の漁船漂ふて台湾に到る鄭経厚く保護を加 へ人を副へて送還す幕府亦其厚諠を嘉し銀を 贈り且向きに奪う所の琉人を帰さんことを求 む四年明の遺臣靖南王耿精忠遊撃将軍陳應昌 を遣して琉球を□諭す尚貞応せす六年冬尚貞 耳目官陸承恩等を清国に遣し船一隻を増し貢 使の往来を便にせんことを請ふ清王之を許る