琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 下 - 翻刻

南島紀事 下 - ページ 46

ページ: 46

翻刻

又先年台湾島へ漂流惨毒に罹りたる難民六十 六名の内殺害に遭ひたるもの五十余名の家へ 一家毎に三十石生還を得たるもの拾二名へ一 家毎に十石合せて千七百四十石を賜はる云々 又其藩堅牢の船無之往々風浪の難に遭ひ物産 等沈没せしめ憫然の至りに依り人民保護の為 め特別の訳を以て蒸気船一艘下賜せらるゝに 依り将来航海の道に熟達し海路災難を免るゝ 様注意すへし云々相達せられたれは在京藩吏 は一応の書面を以て藩王に相達すへしと申出 後撫卹米の事賜船の事共藩王の意を以て三司 官より恩賜拝謝の旨を表したり是に於て政府 は琉球処分に就き廟議を立られ官員を派し直 に藩王に諭さしむる所あらんとす盖し琉球の 国たる地勢人種風俗言語現状は勿論之を古史 に徴するも我か版国たること論を待たす中古 国主自ら民の冊封を請ひ継て清国に通するも 常時政権武門に帰し兵馬草々の際遐方綏撫す るに遑あらす措て問はさる此に五百年今や 皇政維新百事改良の今日に至り曖昧の姿を存