琉球・沖縄の世界を翻刻する

コレクション: 琉球大学所蔵 琉球・沖縄関係資料 vol. 1

南島紀事 下 - 翻刻

南島紀事 下 - ページ 55

ページ: 55

翻刻

偖旧藩王居城退去の事は今回処分中の一難事 なるを慮り処分官は予め旧藩吏を徴し説諭す る所あり彼れも亦書面を呈し只管依旧を哀願 すれとも渾て之を斥けたり廿九日旧藩王は旧 臣をして請はしめて曰期日を過たす居城退去 すへきに依り城門の閉鎖を解き出入の検査を 廃せられんことをと因て我か要する所の文書 を出さは城門を開くへしと諭し且随行員某等 を遣し旧三司官等に説かしめけれは即ち命に 応し其書類を出したるを以て即時城門の閉鎖 を撤し出入の検査を廃したり其夜旧藩王は夫 人《割書:正妃ハ曽|テ没セリ》及ひ女官等四十余名を携へ轎に駕 し後門より城を降り中城邸に転したり三十一 日松田書記官は随行員を率ゐ首里城に入り旧 藩吏の導を得て城中全部を検し尋て益満参謀 大尉に該城を引渡し了て分遣隊長波多野少佐 兵を率ゐて入て営す書記官又旧藩吏を召し諭 して曰土地人民引渡前旧藩王より旧管民に廃 藩置県の事を告け以来県令の命令に従ふへき 旨を布達すへし又旧藩王上京の期日は本月中