翻刻
【右頁】
べし分量(ぶんりやう)は其/人々(ひと〳〵)によるべし微酔(びすい)【左に「スコシヱフ」と傍記】を度(ほど)とす夏(なつ)五月(ごぐわつ)夏(げ)
至(し)より七月/処暑(しよしよ)の節(せつ)まで毎朝(まいちやう)塩湯(しほゆ)を呑(の)むべし凡(をよそ)茶(ちや)
椀(わん)八九分(はつくぶ)を度(ほど)とす此(この)法(はう)甚(はなは)だ理(ことはり)有(あ)る事にて勤(つと)め行(おこな)ふべし
手(て)の曲池(きよくち)足(あし)の三里(さんり)《割書:五壮(いつひ)|七壮(なゝひ)》毎日(まいにち)灸(きう)すべし冬(ふゆ)の内(うち)は腰眼(ようかん)【左に「イノメ」と傍記】の穴へ
時々(とき〳〵)灸(きう)すべし夏(なつ)の内(うち)は天枢(てんすう)【左に「ヘソノワキ」と傍記】の穴へ時々(とき〳〵)灸(きう)すべし
養生(やうじやう)の道(みち)をかける書(しよ)和漢(わかん)その数(かず)多(おゝ)し七八(しちはち)は醫家(いか)より出(いで)て
其(その)三四(さんし)は黄老家(くわうらうか)の説(せつ)なり事(わざ)に泥(なづ)み術(じゆつ)に拘(かかは)りて誤(あやま)り説(とく)事(こと)
少(すくな)からす心得(こゝろえ)て是(これ)を読(よ)み撰(ゑら)みて是(これ)を用(もち)ゆべし夫(それ)仁義(じんぎ)の
道(みち)礼楽(れいがく)の教(おし)へは大中(だいちう)至正(しせい)にして貫通(くわんつう)せざる事(こと)なければ
聖賢(せいけん)の書(しよ)は云(い)ふも更(さら)なり道家(どうか)の道(どう)を説(と)き禅門(ぜんもん)の禅(ぜん)を
【左頁】
話(かた)る其(その)端(はし)を異(こと)にすといへども頗(すこぶ)る其(その)理(り)を明(あきら)かにする事(こと)多(おほ)し
輓近(ばんきん)【左に「チカコロ」と傍記】の人にしも袁了凡(ゑんりやうはん)か陰騭(いんしつ)を録(ろく)せる徳(とく)を養(やしな)ふの方(はう)【左に「テタテ」と傍記】
捷径(せうけい)【左に「テバヤク」と傍記】にして鵠林師(こくりんし)の参玄(さんげん)【参玄:仏道を修行すること】を話(かた)る性(せい)を養(やしな)ふの理(り)卓越(たくゑつ)【左に「タチコヘタリ」と傍記】
なり況(いはん)や赫敬山(かくけいざん)が養気(やうき)を解(と)き貝原翁(かいはらおう)の養生(やうせう)を訓(おし)
ゆる気(き)を養(やしな)ひ質(しつ)を養(やしな)ふの説(せつ)丁寧(ていねい)にして頗(すこぶ)る采(と)り用(もち)ゆ
べき事(こと)あり是(これ)等(ら)は世(よ)に多(おほ)く見(み)易(やす)き書(しよ)にしあれは是(これ)を挙(あげ)る
のみ凡(おふよそ)書(しよ)は道(みち)を載(の)するの器(うつはもの)なれば心得(こゝろえ)て善(よ)く見(み)るときは
縦(たと)ひ十全(じうぜん)【左に「トウマツタキ」と傍記】の書(しよ)は稀(まれ)なりとも豈(あに)一得(いつとく)の益(ゑき)無(なか)らんや只(ただ)泥(なづ)ま
ん事(こと)を恐(おそ)れ癖(へき)せん事(こと)を厭(いと)ふのみ故(かるかゆゑ)に心(こゝろ)を正(たゞし)くし意(こゝろばせ)を誠(まこと)にし
善(よ)く書(しよ)を見(み)る人(ひと)は必(かな)らず道(みち)を得(え)て心(こゝろ)広(ひろ)く体(たい)胖(ゆたか)ならん生(せい)を