翻刻!江戸の医療と養生

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養生一家春 - 翻刻

養生一家春 - ページ 14

ページ: 14

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【右頁】 調和(てうくわ)【左に「トヽノヘ」と傍記】して生(せい)を養(やしな)ふべし其(その)質(しつ)【左に「カタチ」と傍記】に就(つい)て暫(しばら)く先後(せんこう)【左に「アトサキ」と傍記】を序(じよ)【左に「ツイデ」と傍記】し 其(その)方(みち)を異(こと)にするのみ 敬(つゝ)しみは朝夕(あさゆふ)なるゝことの葉(は)のかりそめ草(ぐさ)のうへにこそあれ 《割書:又|》つゝしみを人(ひと)の心(こゝろ)の根(ね)と知(し)ればこと葉(は)の花(はな)もまことにぞ咲(さく) 《割書:二首古歌|》婦(をんな)の長(ながき)舌(した)とは詩(し)【左に「カラノウタ」と傍記】にも戒(いまし)めおかれし事(こと)聞(きこ)へぬ兎(と)にかくに 古賢(こけん)の教(おしえ)は事理(じり)相当(あいあた)りて我(わ)が養生(ようぜう)の道(みち)にもかなへる事(こと)也 深(ふか)く監(かんが)み法(のつと)るべし 性情(せいじやう)【左に「コヽロ」と傍記】より分(わか)れ出(いづ)るなれば言(ことば)は常(つね)に慎(つゝ)しみて多(おほ)く言(ものい)ふ事(こと) なかれ多(おほ)く言(ものい)ふ時(とき)は気(き)耗(か)れて血(ち)調(とゝの)はず生(せい)を養(やしな)ふの道(みち)に あらず 【左頁】 血脈(けつみやく)より生(お)ひ出(いつ)るものなれば髪(かみ)は日々(ひゞ)に梳(くしけづ)り乱(みだ)さざれば血(ち)の 運(めぐ)り逆(くるは)ずして心気(しんき)もおのづから直(すなほ)なると知(し)るべし 聖人(せいじん)四(よつ)の教(おしへ)を立(たて)給ふにも婦言(ふけん)【左に「ヲンナノモノイヽ」と傍記】婦容(ふよう)【左に「カタチ」と傍記】を先(さき)とし給へり歩行(あゆむ)こと 緩(ゆる)やかにすべし気(き)おさまりて血(ち)調(とゝの)ふ飲(の)み食(く)ふ事(こと)は過(すご)すべか らす形軀(かたち)を養(やしな)ふ事(こと)を要(むね)とすべし 見(み)るにひかれ聞(きく)にさそはれて養(やしな)ひの道(みち)を誤(あやま)るべからす花(はな)に鳴(な)く うぐゐすを聞(きく)水(みづ)に澄(すめ)る月(つき)を詠(なが)むるさへに心得(こゝろえ)有るべし況(いわん)や 目(め)を奪(うば)ふ俳優(わざおき)【俳優:さまざまな芸をして神の心を慰めたり、人を喜ばせたりすること。また、それをする人】/耳(みゝ)を乱(みだ)る糸竹(いとたけ)【糸竹:「糸」は琴、三味線などの弦楽器、「竹」は笛などの管楽器。管弦】の伎(わざ)はこれを見(み)ずこれを聞(き)か さるにしかじ千早振(ちはやふる)神楽(かぐら)と云(い)へる事(こと)はふさぐ気(き)を開(ひら)き滞(とゞこ)ふ る気(き)を抜(はら)ひ不祥(さがな)き心(こゝろ)をすぐしめ給ふよし唐(もろこし)虞舜(ぐしゆん)【虞舜:中国、古代の伝説上の天子、舜の別名】と云(い)へる