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【右頁】
なればなり胎養(たいよう)の道(みち)は殊更(ことさら)に慎(つゝし)むべし夫(それ)胎内(たいない)の児(こ)は母(はは)の呼(こ)
吸(きう)とともに消息(せうそく)して生成(せいせい)するものなれば胎養(たいよう)の道(みち)は慎(つゝしん)
で心得(こゝろゑ)べき事(こと)なり《割書:胎養(たいよう)の概(おふむね)を後(のち)に附録(ふろく)す|》
先(まづ)心意(しんい)【左に「コヽロ」と傍記】を正(たゞし)くし気血(きけつ)を調和(てうくわ)して胎養(たいよう)の道(みち)に随(したが)ふ時(とき)は妊娠(にんしん)
必(かな)らす堅固(けんご)にして決(けつ)して難産(なんさん)の患(うれひ)なし且(かつ)小児(せうに)未生(みせう)【左に「ムマレザル」と傍記】の先天(せんてん)【左に「サキ」と傍記】
より気質(きしつ)を正直(しやうじき)に稟(うく)るがゆへに已生(きせう)【左に「ムマレテ」と傍記】の後天(こうてん)【左に「ノチ」と傍記】に無病(むひやう)壮健(さうけん)なり
しかのみならず心(こゝろ)に不善(ふせん)【左に「ワルキコヽロ」と傍記】を生(せう)ずる事(こと)なし爰(こゝ)におゐて其(その)理(ことわり)を
推(を)して尋(たづ)ぬるに心(こゝろ)の賢(かしこ)きも愚(おろか)なるも行(おこな)ひの善(よ)きも悪(あし)きも形(かたち)
の美(うつく)しき醜(みにく)きも未生(みせう)先天(せんてん)に稟(う)けはじまる理(ことはり)あれは敬(つゝ)ん
で是(これ)を罔(な)みし給ふ事(こと)なかれ是(これ)を罔(なみ)する事(こと)の已甚(はなはだ)しくは
【左頁】
盲(もう)【左に「メクラ」と傍記】聾(らう)【左に「ツンホ」と傍記】唖(あ)【左に「ヲシ」と傍記】躃(へき)【左に「イザリ」と傍記】頑質(ぐわんしつ)【左に「カタワ」と傍記】まで未生(みせう)一点(いつてん)の天命(てんめい)より稟(うけ)はじまら
ざる事(こと)なし篤(あつ)く慎(つゝ)しみ深(ふか)く恐(おそ)るへき事(こと)也
胎教(たいけう)胎養(たいよう)の義(ぎ)古今(こゝん)其(その)説(せつ)多(おゝ)し其(その)詳(つまびら)なる事(こと)は儒(じゆ)
家(か)医家(いか)に問(と)ひ求(もと)むべし今(いま)爰(こゝ)にしるすは予(よ)が識得(しきとく)【左に「コヽロヲホヘ」と傍記】
せる所にして其(その)概(おふむね)を挙(あぐ)るのみ
胎養(たいよう)の略(りやく)
夫(そ)れ胎内(たいない)の児(じ)母(はゝ)の呼吸(こきう)【左に「イキ」と傍記】と倶(とも)に呼吸(こきう)するものなれば
是(これ)を心得(こゝろえ)て常(つね)に調息(てうそく)して《割書:調息(てうそく)の事(こと)前編(せんへん)に書(しよ)せり必(かなら)ずしも|法(はう)にかゝはらず時(じ)々/刻々(こく〳〵)に調息(てうそく)すべし》
呼吸(こきう)を悠長(ゆうてう)にすべし生命(せいめい)を長(なが)くする方(みち)なり
心気(しんき)は常(つね)に静(しづか)にすべし形軀(げうく)【左に「カタチ」と傍記】は日(ひゞ)に動(うごか)すへし甚(はなは)だ喜(よろこ)び