翻刻!江戸の医療と養生

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養生一家春 - 翻刻

養生一家春 - ページ 18

ページ: 18

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【右頁】   甚(はなは)だ怒(いか)り甚(はなは)だ悲(かな)しみ甚(はなは)た憂(うれ)ふる事(こと)なかれ呼吸(こきう)【左に「イキ」と傍記】滞(とゞこ)ふり   経絡(けいらく)【左に「スジミチ」と傍記】舒(のび)ずして気血(きけつ)和(くは)せざるゆへ也   物(もの)に驚(おとろ)くべからずおどろく時(とき)は肝胆(かんたん)の気(き)を損(そん)ずるゆへ也   さりながら驚(おどろ)く事(こと)は自分(じぶん)の力(ちから)に及(およば)ざる事(こと)あり傍(かたはら)の人(ひと)も又(また)心(こゝろ)   付(つけ)べき事(こと)也/万一(まんいち)驚(おとろ)く事(こと)あらば速(すみやか)に調息(てうそく)して腹気(ふくき)を調(とゝの)ふ   べし飲(の)み喰(く)ふ事(こと)に別(わけ)て心(こゝろ)を付(つ)くべし臭(にほひ)の悪(あ)しき物(もの)を   食(しよく)すれは神気(しんき)【心の働き】を穢(けが)し味(あしはひ)の悪(あ)しき物(もの)を食(しよく)すれば精血(せいけつ)【精力と血】を   濁(にご)らす甚(はなは)だ苦(にが)く甚(はなは)だ辛(から)く甚(はなはだ)酸(す)く甚(はなは)だ甘(あま)き物(もの)を   食(しよく)すれは気(き)を耗(へら)し血を散(さん)ず   耳(みゝ)に淫声(いんせい)を聞(き)く事(こと)なく目(め)に邪色(じやしよく)を見(み)る事(こと)なかるべし 【左頁】   歩(あゆ)む事(こと)は緩(ゆるや)かに言(ものい)ふ事(こと)は低(ひく)かるべし手足(てあし)を強(しゐ)て伸(のば)す時(とき)は   筋脈(すじみやく)を断(だん)【左に「キル」と傍記】ずる事(こと)有(あ)り欠伸(けんしん)【左に「アクビ」と傍記】するまでに心(こゝろ)を付(つく)へし仰(あを)ひて   高(たか)き物(もの)を取(と)るべからず俯(ふ)して深(ふか)き物(もの)を汲(く)むべからず強(しゐ)て重(おも)き   物(もの)を挙(あぐ)べからず及(およ)んで遠(とふ)き物(もの)を引(ひ)くべからす坐するに倚(かたより)て   坐(ざ)すべからず坐(ざ)して手(て)を伸(のば)すべからず臥(ふ)すに偏(かた〳〵)に臥(ふ)すべか   らす臥(ふ)して脚(あし)を伸(のば)すべからす皆(みな)是(これ)胎(たい)を安(やす)んし児(じ)【左に「コ」と傍記】を養(やしな)ふ   の方(みち)なり慎(つゝし)んで是(これ)を守(まも)るべし   妊娠中(にんしんちう)病(やま)ひをおぼへば速(すみや)かに医薬(いやく)を加(くわ)ふべし病(やまひ)なきに   決(けつ)して薬(くすり)を用(もち)ゆべからず灸(きう)すべからす勿論(もちろん)鍼(はり)は禁(きん)すべし   手(て)の曲池(きよくち)足(あし)の三里(さんり)の穴(けつ)は始(はじめ)より灸(きう)して佳(か)【左に「ヨシ」と傍記】なり気血(きけつ)を運(めぐ)