翻刻!江戸の医療と養生

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養生一家春 - 翻刻

養生一家春 - ページ 6

ページ: 6

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【右頁】 人(ひと)多(おゝ)し其(その)人々(ひと〳〵)此(こ)の道(みち)をしるしくれよと需(もとむ)るに應(おうず)る事 左(さ)の如(ごと)し 太平(たいへい)の人(ひと)に水飲(すいいん)の病(やま)ひ多(おゝ)し其(その)根本(こんぼん)を尋(たづぬ)るに期(ご)せずして 生(せう)ずるの患(うれ)へにして人々(ひと〳〵)是(これ)を忽諸(ゆるかせ)にし醫(い)も又(また)是(これ)を等閑(なをざり) にし其(その)原(もと)を探(さぐ)らずして妄(みだり)に薬(くすり)を與(あた)へこも〳〵誤(あやま)り遂(つい)に 一家(いつか)の痼癖(こへき)【左に「ヂヒヤウ」と傍記】と成(な)りて頗(すこぶ)る生気(せいき)を害(がい)し天年(てんねん)を損(そん)する 人(ひと)少(すくな)からず予(よ)治療(ぢりやう)に心(こゝろ)を潜(ひそ)むる事(こと)三十又餘年(さんしうゆうよねん)にして 診(しん)し得(う)る所(ところ)を演(の)ぶ庶幾(ねがはく)は蔑(ないがしろ)に視(み)給はずして返(かへ)す〳〵も 生(せい)を養(やしな)ふの方(はう)を得(え)給え太平(たいへい)の人(ひと)勤(つとめ)に怠(おこた)り易(やす)く楽(らく)に 逸(いつ)【左に「ハヤリ」と傍記】し易(やす)し是(これ)より此(この)患(うれ)へを生(せう)す 【左頁】 勤(つと)めに怠(おこ)たる人(ひと)は身(み)を動(うこか)さずして心気(しんき)を労(らう)し胃(ゐ)の気(き)亢(たかぶ)るが ゆゑに常(つね)に膏梁(かうりやう)滋味(じみ)【左に「ムマキシヨクモツ」と傍記】を貪(むさぼ)り重滞(ぢうたい)【左に「トゞコヲリ」と傍記】して留飲(りうゐん)【左に「タン」と傍記】を生(せう)ず此人 必(かな)らず忿怒(ふんと)【左に「イカリ」と傍記】の気(き)多(おほ)し心胃(しんゐ)の火(ひ)たかぶる故(ゆゑ)也 楽(らく)に逸(いつ)する人(ひと)は體(たい)を労(らう)せずして腎気(じんき)を動(うご)かし脾(ひ)の気(き) 行(めぐ)らざるゆゑに旨酒(ししゆ)甘醴(かんれい)【左に「ヨキサケ」と傍記】に酖(ふけ)り蓄聚(ちくじゆ)【左に「タクハヘアツマリ」と傍記】して宿水(しゆくすい)と成(な)る 此人(このひと)必(かな)らず情欲(じやうよく)多(おほ)し脾腎(ひじん)の気(き)固(かた)からざるゆゑなり 右/水飲(すいいん)の病(やまひ)諸病(しよひやう)に変化(へんくわ)して尤(もつとも)生気(せいき)を害(かい)し天寿(てんじゆ)を 損(そん)する事(こと)多(おほ)し夫(そ)れ病(やまひ)の生(せう)ずる由(よし)を辨(べん)ぜずして徒(いたづら)に 生命(せいめい)を養(やしな)はんと欲(ほつ)するは譬(たとへ)ば波瀾(はらん)【左に「ミツコヽロ」と傍記】を知(し)らずして舟揖(しうしう)【左に「フネカチ」と傍記】を 操(と)【左に「ツカフ」と傍記】るが如(ごと)し故(かるがゆへ)に今(いま)水飲(すいいん)の病(やまひ)を挙(あ)げて生(せい)を養(やしな)ふの義(ぎ)【左に「ワケ」と傍記】を