翻刻!江戸の医療と養生

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養生一家春 - 翻刻

養生一家春 - ページ 7

ページ: 7

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【右頁】 喩(さと)す人々(ひと〳〵)此(この)患(うれひ)をまぬかれんと欲(ほつ)せば夙(つと)に起(おき)て調息(てうそく)し 夜(よは)に寐(いね)て調息(てうそく)して《割書:調息(てうそく)の法(ほう)|後(のち)に演(の)ふ》心腎(しんじん)【左に「コヽロ」と傍記】を安定(あんてい)【左に「ヤズン」と傍記】し身體(しんたい)【左に「カラタ」と傍記】を運(うん) 動(どう)して業(げう)をつとめ各々(おの〳〵)強弱(きやうじやく)【左に「ツヨキヨワキ」と傍記】の分(ぶん)を量(はか)りて飲食(いんしい)を節(せつ)に すべし《割書:諺(ことわざ)に命(めい)は食(しよく)に有(あ)りと実(じつ)に然(しか)り食法(しよくはう)殊(こと)に多(おゝ)しくだ〳〵しき|ゆへ爰(こゝ)に略(りやく)す大抵(たいてい)三時(さんじ)は古今(こゝん)の通礼(つうれい)也/慎(つゝしん)て時(とき)ならざるに食(しよく)する》 《割書:事(こと)なかれ二椀(にわん)三椀(さんわん)にかぎり過(すぐ)すべからず|病(やまひ)は口(くち)より入(い)り禍(わざはい)は口より出(いづ)るといふもむべ也》はやく怒(いかり)に懲(こ)り堪(た)へ忍(しの)ぶ べし常(つね)に欲(よく)を塞(ふさ)ぎて敬(つゝ)しみ慎(つゝし)むべし《割書:敬(つゝしむ)はつちにしまると云(いふ)|訓(おしへ)なりと深(ふか)き義(ことは)り有べし》 しかる時(とき)は心腎(しんじん)交(こも)〴〵堅固(けんご)にして脾胃(ひゐ)互(たが)ひに運轉(うんてん)【左に「メグリ」と傍記】し 留滞(りうてい)【左に「トヽコフル」と傍記】の飲(いん)なく蓄聚(ちくじゆ)【左に「タクハヘアツマル」と傍記】の水(みづ)なく気血(きけつ)分布(ぶんふ)【左に「ワケシク」と傍記】するがゆゑに陰(いん) 陽(やう)調和(てうくわ)す陰陽(いんやう)調和(てうくわ)【左に「トヽノヒ」と傍記】するがゆへに精神(せいしん)安寧(あんねい)【左に「ヤスラカ」と傍記】也/精神(せいしん)安寧(あんねい) なるがゆゑに呼吸悠長(こきうゆうてう)【左に「イキナガク」と傍記】なり呼吸悠長(こきうゆうてう)なるがゆゑに天地(てんち)の 【左頁】 生気(せいき)と同(おな)じく長(なが)く我(わが)天年(てんねん)を全(まつた)く保(たも)つべし然(しか)れども 此(この)理(ことわり)は幽玄(ゆうげん)【左に「ヲクフカキ」と傍記】にして会得(ゑとく)【左に「ガテン」と傍記】しがたき底(ところ)あるべし只管(ひたすら)是(これ)を事業(じげう)【左に「ワザ」と傍記】 に勤(つと)め行(おこ)なひて日々(にち〳〵)壮健(さうけん)なる事(こと)を覚(おぼ)えて顕露(けんろ)【左に「メノマヘ」と傍記】に自知(じち)自得(じとく) すべし《割書:行(おこなひ)は己(おの)がこゝろむなしといふ訓(おしへ)也と少(すこ)しにても私(わたくし)の念慮(ねんりよ)を|まじへず此(この)養生(やうぜう)の道(みち)を勤(つと)め行(おこな)ひ給ふ事(こと)を希(こひ)ねがふのみ》 調息(ちやうそく)は養生(ようぜう)第一(だいいち)の義(き)也/嘗(かつ)て聞(き)く命(いのち)は呼吸(いき)の中(うち)と云(い)ふ訓(おしへこと)也 と生(せい)も亦(また)呼吸(いき)の義(ぎ)なるべし故(かるがゆへ)に呼吸悠長(こきうゆうちやう)【左に「イキナカク」と傍記】なる人(ひは)【「ひと」の誤ヵ】は生命(いのち) 必(かな)らず長(なか)し調息(ちやうそく)と云(い)ふ事(こと)は夙(つと)【左に「アサハヤク」と傍記】に起(おき)て目(め)さまし盥(てあら)ひ 漱(くちそゝ)ぎして東(ひがし)の方(はう)にむかひ《割書:其時(そのとき)と所(ところ)により|方(はう)にかゝはらず》吸(ひ)く息(いき)を悠々(ゆう〳〵)と いかにも長(なか)く口(くち)へ吸(ひ)き納(い)れ呼(は)く息(いき)を舒々(じよ〳〵)といかにも静(しづか)に 鼻(はな)へ呼(は)き出(いだ)し再次(ふたゝび)吸(ひ)く息(いき)を舒々(じよ〳〵)といかにも静(しづか)に鼻(はな)へ