翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

波丹国漂流人覚書 - 翻刻

波丹国漂流人覚書 - ページ 12

ページ: 12

翻刻

 一たはこ入十やしつのからにて作り候内  一やしつ五十【図】上わしに御座候 扨戌四月十五日《割書:後考日本寛文|十年庚戌年也》波丹国出船互之別れハ 唐天竺も替らす畜生国ながら三年之馴染ゆへ 色も情も御座候而別れ之悲しみおかしき事また 恐敷事もあり寛文八申極月六日ゟ戌四月十五日迄 出入三年波丹に罷在候十五日ニ出船何国江行とも無 御鬮のおもてに任せ風に随ひ同月廿四日南京之内 宝登山と申所江着此所きれい成島にて此所ニ四月 廿四日ゟ五月廿三日迄居申候人の住所とても無御座不思儀ニ 存船ニ而方々尋廻り候得ハ関船とおほしき船 漕(コギ)寄 候ニ付容子を尋候得ハ言葉通シ不申候然れ共日本江ハ 東へ当り候様ニ仕方致シ候然れ共食物少々難儀に 及ひ候故磯にて見る海苔を取給居申候然ル内ニ又 船壱艘に十五人乗来り此者共ハ日本之奉行の体ニ相見 其内に旦那らしき人髪ハから曲ニ結てゆゝ敷相見へ 不残 釼(ケン)を差船の中に半弓長刀鑓も相見申候其内ニ 日本之言葉能通し申候者壱人出て何国之船何方ゟ 来るそと問申候其時我々共ハ日本之者にて寛文申八年 十一月難風に出合中天竺之内波丹と申所江吹流され