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西之方江行候様ニ覚風替て未申の方へ行かと覚流れ
〳〵西之方ニ島壱ツ南に壱ツ東に壱ツ都合島三ツ有之候
何れ之島江上り可申哉と御 鬮(クヂ)取候得ハ東之島へ上り候様ニ
御鬮下り則右之島江申極月六日昼八ツ時ニ上り十一月ニ伊豆
国下田を出船して十二月六日迄東西南北江漂流暫くも
船止らす乗り三十日余ニ而かの島江着申候夫ゟ伝馬船ニ乗
かの島之様子を見候得ハ何共知さる人数多出其人体ハ
頭ハざん切目ハ丸く鳥之目の如く身体ハ着せる物も無
世の常の人とハはたへ違ひ申候色黒く何共知れぬ者
にて其おそろしさ生なから地獄へ行し心地身もひへ
渡り生たる心地ハさら〳〵なかりけれ共御鬮に任せ候へハ
其者共に此島ハ何と申国島そと相尋候得共言葉通
《振り仮名:ざ|ず》る事無一切埒明不申夫ゟ我ら共小船ニ乗おや船ニ積
船より仕方仕湊を尋候得ハ島之者共又手にて仕方致
南之方ニ有之由ニ付こき寄小き島之腰江碇四ツおろし
つなき申候所其夜島之者共小船ニ乗り参りひそかに
忍行碇綱一筋切申候ニ付此方ゟも番を附申候得ハ島之
者共夜中かゝりを焚明日七日朝何百人共数知す出来り
元船之荷物を小船ニ而奪ひ取申候此方もふせき候得共
久々脇一はい給物喰不申故力も衰(ヲトロ)へ暫くふせき候へ共