翻刻
【右丁】
福蔵が友にいま川三悦といひしは
もと出家おち酒き人のむとのたまく
さまんだばさらなほうずゆへどくを
うちてらをひらきふところいしやと成
三悦がすゝめにより下人志か介を
薬うりにしたて身のあかをまる
めてあんかんたんとなづけ江州の
志がの都ひゑいざんの名■なりと
こじつけあかき■つわものを
ゑりに■ふく蔵が■をひらきし■の
からかきをもたせまいるうりに出す
きさまも
いつまで
うり
ぐいにしても
つまるまい
いまどきは山がゝらねは
いかに
﹁志か介
せいだして
しゆじんを
はぐくむ
﹁しやくつかへにきめうなりと
大をんあげてうりありく
いふなるしかけめつらしきゆへ
なんのわづもなくこゝへも一つゝみ
とてかつてみる
なぜかあぶら
くさいやう
だ
【左丁】
福蔵か友
につる田■ノ介
といひしらう人又あぶくの
作兵衛といふ男だてありある
とき市川団兵衛をはじめ三悦共に
■四人のほう■うふくぞうりがおらんだのち
すじなるはしらずしてうちよりひ■たきして
いひけるはき■まやおらんだ福蔵がこまりをりより
のともだちきやつはとう所にたよりの
なきらう人の身のうへきのとくに
おもひこれまではな■■■■みつので
やつたれども何かこゝろのそこに一もつ
あるやうにて気のしれぬ男ぜんたい
おらがなつまとはそりのあわぬ気
しつなれは此いだつきあいもやめ
てみつぎはせまいとそうだん
きわむる
万里のうみを
へだてたる
おらんだの
たね
なれば
きだての
ちがふも
こと
わり
なり
﹁そうようさアねへ
つうじはしたらうがつう
しんにはなら■ぬ
やほなや
つさ
﹁いざはさ人
ぬぞおれは
あぶくの
酒
兵衛
だ
病気
のんでたのむ
べい