翻刻
「右帖」
へくも働得す柱は弓と吹たわみ
篠を乱たける雨の足当所くぼむ計也
浪は大山のこがすが如く櫓を打越す
汐煙り新艘なれば崩(ヤブレ)れもやらす
材木半捨にけり雨と汐とに身を
ひたして手足こゞへて働かれす雷の
音波の音天地も崩るゝ計也烈風
弥火の如く雨を■(ヲカ)せる稲光りは誠に
「左帖」
火の雨の風也燈消へて大ぐれん
しやふねつとふかんあびむけん金りん
幸落に今こそ入るとおもへは空にうき
浮きぬ溜みぬ苦しさはいか成る地ご
くの責苦でも斯やはあらしと悲み
皆々髻切払ひ命代りと海に入る
八大竜王下男の竜神あまねく神
社に祈願をこめ元の湊かさもな