翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 12

ページ: 12

翻刻

「右帖」 くわ(ワ)小渕才浦恵蘓松前日本の 地に寄せさせ給へと勧念し船中 寄つて帆を巻しか風強ふして上も せす纔々に手届くばかり也十方に 暮れし舟なれば命を捨て働しに 念のふ船は乗り受たる斯而十九夜 耽にて雷も鳴り止み雨の足常ふる 様になり既に夜はほの〳〵と明渡り風に 「左帖」 ちぎれし横雲や立ちとる日につれて 雨は次第に晴にけり風は弥吹きしめ て浪のうねりぞ冷し横浪に梶ねらし 船又危く成りにけり残る材木捨にけり 毎日〳〵風強ふして同し風海まん〳〵と して雲の浪煙の波は立ちしかど嶋と 覚しき当所もなく地方見へ紛ふ 雲もなく覚束なくも日と月に東と