翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 14

ページ: 14

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「右帖」 迚雨風少も和らかず汐行誠に 常ならず瀬戸をかへすが如く也又々 梶も崩れけり最早詮方月弓の櫓の 板を碇にくゝり梶床に釣りおろし 縄を引かせて走りけり早霜月も 十四日雨の上りに西風も次第に浪和ら かにぞ成りにけり皆々■(とう)の間に寄集り 顔見合申には最早日数も廿五日なり 「左帖」 塩屋の浦ゟ同し風かほと昼夜走り なば凡二千八百里余りいか成る国へもつ きへきに嶋にも逢はざるは能々 拙き運のつき細に懸(かけ)るかけとりの 高く飛はざる思ひをなし後悔袖を しぼりけり中にも仁兵衛は泪を抑へ 我壱人の口に付塩屋の沖に舟を留め 今皆中の難儀と成る我に極る津之