翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 15

ページ: 15

翻刻

「右帖」 科(とか)は譬に引へき物なしせめて皆々 腹いせに今海に身を溜めんとおもひ 切て見へにけり人々はさ(さ)も思はず我々 迚も同し事何国いか成る所にも舟を 寄せ身のなり果は天命ぞと船中心を 合せけり粮米 纔(はずか)々にして漸始末の 心をかへ粥(かゆ)に煎りて喰水は壱斗に 米弐升廿人にて一日の朝と晩とを 「左帖」 暮しけり斯而西風取るゝとおもへば 又東風にぞ成りにけり何国を日本 我国と当所も浪にへさきを立かへ 跡(あと)の方へと走りけり風少し和らかに なりければ粮米の便にもと飯の江どに 釣をたれまひき抔を釣り得たり弐 時船ともに大いなる鱶弐本梶の当り を付け廻る是を釣りて喰にせんと