翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 16

ページ: 16

翻刻

「右帖」 米積かぎを出し苧を付け雪駄の浦皮 引離してゑどに繋ぎなげ入ければ あんの如くにかゝりけり三四人にて引けれ 共喰たちして力もよわりてつかれ果たる 情力なれば中々引きも上けられず巻戸 にかけて漸に釣上見れば冷敷四尋 計の大鱶也脇指を抜き錨をとき 手に〳〵是を解きはなし味噌も是迄 「左帖」 貯有る煎て喰焼て暫くは是にて 凌けり未水にも事かゞされ共次第に 滅する粮米に生ける心地はなかりけり 早霜月も過き十二月半にも成りぬれ ば迚更に地方と思ふ所もなく倩 日和になりければ東風吹に西と南の 間なる未申とぞ走りけりなれ共風は 和らかに漂ふ内に水もきれ粮米