翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 17

ページ: 17

翻刻

「右帖」 肉もつきにけり湯水を通す情力も 手足も釘とやせおとろへ誠に鳥羽 絵の舟人/咽(のと)は糸の寄るべなく餓鬼 と云者は斯有らんと互に顔を見合 て飢で死するは無念やと喰はぬ歯 くぎを喰しばり呑まねと泪こぼれけり 既に極月廿八日也西南の方二十里と 見へ渡りて嶋有り是に皆力を得て 「左帖」 地方に上り死すべしと帆に帆を上けて 走りけり斯而地方壱里計りに成り し比忽風は西と成り張告めたりし 気もたゆみ扶を上る者もなし能々 拙き我々か運流哉五十五日と云今日 始めて地方の言を見て手届く様に 近付ながら夫にも上らず吹戻され 舟の内にて朽なん事日本国の