翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 3

ページ: 3

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「右帖」 経(へ)たり此春其安否を窺ふ既に 南天竺に漂着して福州の出店 に津船と成り天命の加護(ワ)有てんや 咬■【〈口+留〉の異体字ヵ】陀を経廻して船の内浪(ナミ)の上に て老にけり水主の独(ヒト)り古郷に帰りし に相まみゆ手を取つて且祝い手 を打て且かなしむ蘇父浦嶋が帰り はに異なる玉手箱を取てしば〴〵 「左帖」 成る寝物語なりける暫しとまらぬ 露の世に適々耳に朽(クチ)なんもほいなく 惣耳にとゝまる所を俗談平話の 筆舌にのへて華夷九年録と 号し遥の遊魂吊ふ事しかり    宝暦十三年(未)十月六日より    大正十四年(丑)九月  迠  百六十三年に当る