翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 31

ページ: 31

翻刻

「右帖」 払ひ跡方もなく引て行残る二人は 友なし千鳥天地に伏して親子 兄弟妹背中引離さるゝゟ悲しみ けり爰に消へかしこにむすぶ水の 泡に孫七幸五郎両人は若や日本に 帰るかと明暮にこそ待居けり此所も 始の気行にて冬の内にも雪ふらず 単物にて寒気を凌春過て夏 「左帖」 来ぬれども単物にて暑を凌所也 斯而同年六月中ならむ小舟をしつ らい水主四人乗り来り我等を乗 せんと云何角は知らす乗りにけり既に 日数も船中十日計にて小湊にぞ 着にけり爰はソウロクの内にして 在家の様に見へにけり裏の苫屋 に我等二人りを囲置喰事をあたへ