翻刻
「右帖」
外にも出さす人の出入を制しけり
いか成浮事のつゞくやらんと安き心は
なかりける日数も過て我々が延し
髪も元結させ日本流に髪むす
ばせ薄き羽織の如きを着せ扇子太
鼓を持せけり近き当りに舞台を掛け
鉦をならしちゃんめらを吹き太鼓に
合せて囃(はやし)けり追々集る人々は一向に
「左帖」
わからぬばかり也我等二人に兼而ゟ日本
流に哥を諷ひ踊をおどれと仕方し
てすゝめければ是悲もなく〳〵まだら
ぶし池のどんがめすぼんぶへ五嶋なげ
ぶしすほんの子と口から出次第かたり
けり心もしれぬたわむれ也一と仕切づゝ
見物人をかへ追出しとこそ聞へけり
其後は駕にのせ在々所々に連行