翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 36

ページ: 36

翻刻

「右帖」 を見るに付身の毛も立誠に生きる心地は なかりける兼而 斬(き)り置し親の首を仏 間に備へ異具を以て吊也我々も定て継(つぎ) 首に成るやとおもひしに日本の首にて継 いてえきなき事か又は神国の首なれば かゝる無道の継首には切らせし物と神々 の手を取つて引取り給ふか不思議(ふしぎ)や数 日逗留する内に壱人(ひと)りも買人の見へざ 「左帖」 るは誠に不思議の事共也我々二人に仕 形して申けるは此所にあつて益(えき)無(な)し元の 如くソウロクの湊に帰るべき由云ければニ 人りは兼而望みし事なれは天を拝し 地を拝し虎口の難を遁れしとはかゝる 事をや申べしと思はれける斯而右之 浜辺に出しけれは日数も既に十日余り 元来りし国のソウロクの小湊にぞ着に