翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 39

ページ: 39

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「右帖」 煩い付き喰事を喰はす色青さめ頼 すくなに見へにけり舟の者共気遣ふて 薬と覚敷煉薬を呑ませ色々助抱 する内に次第に労(よわ)り終に幸五郎は果に けり適々是迄只二人り親共子共伴ひ しに岡にも届かず死わかれ夢の心地して 過行方の別れ迠思ひやりつゝ孫七は わつと計になき出すせめて死骸を 「左帖」 納めんと舟の者に云ければ海に捨てん と仕形するいとゝかなしくとや角せん とおもひ岡の方も近きゆへ葬りたく候間 手を添へてと云ければつばきはきして かふりふる是悲(ぜひ)なく〳〵も壱人して死 骸を肩に岡に上り櫂(かい)にて砂を堀り能き 程に納めて■は船にのり思ひにくれて 孫七は歯をくいしばる血の泪五臓を