翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 43

ページ: 43

翻刻

「右帖」 別所にて喰ける下女は《割書:ヒカラン|ウキン》ユキンの三人も 黒坊の女なり我名を日本と呼ぶ初の程は 物毎に仕形しておしへけるが盆前なれば 閙敷他所ゟも人を雇ふに言葉を知 らさるも不自由なりとて手をとらへ物を とらへてコンサミヤウ是は何と云チヤウサミヤウ 何をいたせどふ致せと也先此二言を教(をしえ)へ てゟ其後は言葉も覚へて主人家内 「左帖」 迚も慈悲甚深ふして常に憐をかへ つかひ給ひけり孫七かたりける様は生前 に六道の流転し有様目前にありと いへり其故は羽州三国の曲輪にては天 上の遊ひヲなし一夜に五拾年の栄花の 夢を覚し塩屋の沖にては鳴る神稲 妻天地にみち地獄の業風既に舟を 覆んとして泪の留衣類をひたす沖に