翻刻!九州大学の書物たち

コレクション: 漂流記コレクション

華夷九年録 - 翻刻

華夷九年録 - ページ 44

ページ: 44

翻刻

「右帖」 漂ふて喰に飢え水にかつへて咽糸筋の 如くさながら餓鬼道に苦しみ ホロネヲの浜にては刀杖弓箭のひらめかし 修羅の太鼓止む時なしカラガンの仮り 屋にては馬盥(ばたらい)の喰を食(く)い死ては浜 に引捨てられ畜生(ちくしよう)ゟ又浅間鋪今度 爰に来りて人間に生を得たる心地こそ 迚語りけり扨七月朔日夕ゟ門と口に 「左帖」 大い成る燈籠を燈(とも)して十三日ゟ盆会 として仏間をしつらい朝夕異具を 備へ豕羊鶴等を備へて聖霊を祭る とぞ聞へけり扨十五日の夕ゟは寺の内に大い 成る施餓鬼(せがき)棚(たな)を拵へ町中の家々ゟ五升 八升思ひおもいに飯を焼て大いなる 鉢に盛り色々の紙に家々の仏名を 書附け竹の串に指して鉢の飯に指す