翻刻
「右帖」
色々の肉に焼酒を添へて右の施餓
鬼棚に備ふ大勢の僧出て御経あり
其後備へし異具の物所の若子 供(とも)
等が大勢集りて是を取り争(あらさを)ふ事
夥し是を取帰りて家の豕羊犬猫
の類に喰はせけり扨十五日の夜は近所
催合にして大い成 筏(いかだ)を拵らへ前なる大
川に浮かし置き家々ゟ壱斤掛の蝋燭
「左帖」
に火を燈し異具共に持出し件の筏(いかだ)に
備へ置繋し綱を切はなしければ水に乗
して流れゆく川上ゟ追々に流れ来る大
蝋燭風にも消へず何ん里共無く流れ
行其火の光り幾千萬といへ共数しらず
雲壱ツ無き夜に星出たるが如し其外
踊り様々の遊ひありて賑か成りける盆
会なり勿論墓所は十三日夕ゟ廿日の